農業の生産物のほとんどが水でできていることを思い出してください。例えば、きゅうりでは98%、トマトは95%、葉菜類に至っては99%ば水分といわれています。ですから、ある先生は「農業は水商売である」と表現されたくらいです。
ですから、この生き方をしている農家さんの生産物を食すると、人の体も60〜70%が水分で構成されているので、口に入れた瞬間に同調し、食べた人も「嬉しい、楽しい、有難い」生き方になっていくのです。まさに
そして、身体によい作り方でできた作物は、人の身体を健康にして、上薬たる食べ物を証明します。これからは人によいもの、地球によいもの、どうしても必要なもの以外は淘汰されていく時代です。
「少し食べたら心に効いて、続けて食べたら身体に効きました。
農業のほんとうの価値が認められるようになると、小規模農家ほどやりがいが出るでしょう。というのは、いわゆる大型経営で規模を拡大している農家ほど細かいところへ手が届きにくく、平均的なものになりがちです。
その点、小規模農家ですと、この欠点をカバーすることができ、細部にまで目も心も行きわたった管理がで
きます。そうしてできた作物ほど本来持っている以上の力を発揮するレベルの高さをそなえていることが分かってきました。
これからの農業に要求される重要なことがあります。それは「如何に食する消費者の心のレベルを上げるか」ということです。もちろん食物は食した消費者が健康を維持し、より健康になることが基本ですから、ますますその価値も高まるでしょう。
そして、いままで隠されていた「食べ物が心のレベルを上げる」ということが表に出てきて、人々がその重要さに気付くのも間もなくです。それを理解した消費者は争って身体と心に効く、レベルの高い生産物を求めるでしょう。
それにまず応えられるのは、小規模農家です。作る農家の心のレベルに作物は同調しますから、心のゆき届いた細かい管理をして作られた作物はレベルの高い作物となります。
大規模になればどうしても人も増え、心のレベルも平均的になりがちですから、この点でも小規模農家は有利です。そうすると、量産体制で収穫された輸入物は論外となります。
<参考例>5kg1万円の米を消費者に喜んで買ってもらっている人がおります。この農家さんの米づくりは3反です。
3.良いもの作れば儲かる (平成15年10月27日)
企業的な農業経営は難しくなり、個人的な農業経営が伸び、儲ける農業から「結果的に儲かる農業」になるでしょう。
というのは、企業的な経営は当たり前のことですが、まず利益の追求ありき、です。からなず投資に対して売上げを想定し、経費を償却し、ともかく利益を求める計算の上で成り立っています。
それに対して、個人的な農家では、まず作物に重点が置かれて、結果的に日曜、祭日も休まず、夜中の見廻りさえいとわない場合も多くなります。
これは作物に対する思いやりに他ならず、また、良い作物を作りたいという願いの現れでもあります。前にも述べましたように、作物はほとんどが水分ですので、この思いの波動は作る作物にすべて反映され、記憶されます。
農家さんから、「勿論高値で売れるのも嬉しいけれど、消費者の方から、本当に美味しかった、食べ続けたら身体も良くなった、家族の仲が良くなり、家の中の雰囲気も明るくなってきた、などとお礼を言われることが何ものにも代えがたいほど嬉しくて、作物を作っていて本当に良かったと心から思えました」と報告を受けています。これこそ農業をしていることの醍醐味ではないでしょうか。
さて、農業の特徴のひとつに、生産者に価格決定権がないことがあげられます(もっとも、最近では違ってきていますが)。これも考え方を変えれば、自分で値段を付けない、・・・損得を考えないで済ますという利点でもあります。
本当に良い物を作れば、その価値のわかる消費者は先を争って求めてくるでしょう。そうなると当然、市場の評価も高くなります。
「良い物を作る」ことだけ追求していけば、儲けを追及しなくても、結果的に儲かるようになります。これからの本当に良い物とは、「心のレベルを高くあげるもの」であり、これらは損得の追求では出来ないことがお分かりいただけると思います。
(追記) 特殊な例ですが、あるキュウリ農家さんは、相場の特別高いときにかならず量を出しています。